Radio Science Symposium on Earth and Planetary Atmospheres at Nara Women's University

「電波を用いた観測が切り拓く地球および惑星大気科学」於 奈良女子大学

研究集会趣旨 / Purpose of Symposium

電波を用いた大気観測手法は多岐に渡り、他の観測手法には無いユニークなデータセットを提供してきた。


例えば、宇宙機から電波を送信し別の宇宙機や地上局で受信することで、電波の伝播経路上における大気数密度や気温・気圧、電子密度などの情報を得ることができる。地球大気においてはGPS気象学・GPS電離圏監視といった形で大きく発展し、また惑星探査においても大気の鉛直熱構造や電離圏電子密度を得られる電波掩蔽観測として長年実施されてきた。


近年では、解析手法の改良により従来では得られなかったような高い空間分解能や精度が達成されつつあり、またデータ取得が時空間的に比較的均質かつ密であるという特性から数値モデルへの同化においても重要な役割が期待されている。


本研究集会では、電波科学の手法並びにその大気観測プロダクトに強い関心を持つ国内の大気研究者が集うと共に、欧州宇宙機関(ESA)の惑星探査における電波科学の研究者、Silvia Tellmann博士を招聘し、地球及び惑星大気における諸問題と、それを解決する術の一つとしての電波科学の現状や将来の方向性などについて、専門性の高い深い議論を行なうことを目的とする。本研究集会を通して、国内外の研究者や若手研究者の交流と強化を図りたい。


なお、1st circularに掲載された講演予定リストではGPS関連や電波掩蔽観測等に関する話題が主になっていますが、レーダー等、電波を用いた他の測定原理に関する話題も歓迎します。また、数値モデルや、直接は電波科学に関連しない地球・惑星大気関連の話題も歓迎します。


新緑の美しい季節に、歴史と文化が薫る古都・奈良へぜひお越しください。

「電波を用いた観測が切り拓く地球および惑星大気科学」