☆綺麗な水とは?
「水道基準に関する法令」(水道法第4条)で定められた51項目の水質基準項目 (一般細菌、大腸菌、カドミウム、塩素酸、ホウ酸etc.) が基準値を超えないようなものと定められています。
☆材料
TESPERT 水質検査 水質調査キット 16 in 1 125枚入り
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☆測定方法
1.テストキット(上の写真の一番右側のもの)を調べたい液体に2秒ほど浸ける。
2.余分な水を振り落とすことなく、水平方向に維持して待機する
3.付属のカラーチャートと比較する。調査はすべて同一教室で行いました。(条件を揃えるため)
☆測定場所
水道水の調査地
・奈良市
・生駒市
・宇治市
・大阪市
・長野市
・阪原市 (奈良市青少年野外活動センター)
川の水
・竜田川
・大学の池
ペットボトルの水
・熊野古道水
・炭酸水
番外編
・アクエリアス
・キレートレモン
☆結果
浸ける前と大きく変化している部分を 赤丸で囲っています。
・長野市はpH、総アルカリ度、炭酸塩の濃度が高い
・生駒市はpH、総アルカリ度が高い
・奈良市は総アルカリ度、炭酸塩濃度が高い
・長野市、宇治市では銅の濃度が高い
・大阪市、阪原市では大きな変化は見られない
竜田川
・水道水に比べて変化した項目が多い
・硝酸塩、亜硝酸塩濃度が高い
・泥水では銅の濃度が高くなる
・炭酸塩、総アルカリ度の濃度が高い
大学の池
・ほぼ変化なし
・炭酸塩の濃度が少し高い
・どちらも大きな変化は見られない
・どちらも大きな変化は見られない
・キレートレモンは酸性なので総アルカリ度が変化していない
☆考察
水道水
・銅が含まれていたことについて
→水道管や給湯器には銅が使用されている。銅は水と反応することで緑青(ろくしょう)と呼ばれる錆を形成する。
緑青は金属の腐食を防ぐ効果がある。(水道管や給湯器を劣化から守ってくれている!)
比較的新しく出来た水道管や給湯器には十分な緑青が形成されていないと考えられるため、一部の地域の水道水にのみ銅が含まれていたのではないか?
・長野市のみ変化の幅が大きかったことについて
→奈良市、宇治市の水源は主にダムであり、大阪市は琵琶湖からの水を水源としている。
一方で長野市は信濃川を水源としている。
河川はダムや湖沼と比較して、降雨や周囲の自然環境に水質が左右されやすいという傾向がある。信濃川は日本1長い川として有名であり、変化に富んだ地形を流れているので水質も状況によって変化しやすいのではないかと考えられる!
水道水と竜田川の比較
竜田川のほうが変化の幅が大きい
→長野市の考察と同様に、ダムから貯水された水より、河川の水のほうが周囲環境によって変化しやすいためだと考えられる。
☆反省と今後
・キットによる比較は目視によるものなので客観性に欠ける(全員が同じ回答をするとは言えないということ!)
・比較項目が多いため、調べたいことが曖昧になる。
→機会があれば溶存酸素という観点から水質を比較したい!
溶存酸素とは、水中に含まれる酸素量のこと!
綺麗な水は有機物(汚れ)が少ないため、分解者(微生物など)も少ない!そのため微生物が呼吸に使う酸素の減少量は小さいので溶存酸素量は大きい。
汚い水には有機物がたくさん含まれており、それを餌とする分解者もたくさん存在する。そのため呼吸に使われる酸素量が大きくなり、溶存酸素は小さくなる!
☆水環境の保護
人間も動物も生きるためには綺麗な水が必要!
どのような保護活動が行われているのか覗いてみよう!!
水質浄化の推進
猿沢池(奈良市)は流入水量が少なく滞留時間が長いことや、降雨時に鹿の糞尿混じりの水が流入することにより、水質が悪化!! (確かにいつも悪臭がします…)
→新しく水路を整備し、奈良国立博物館の井戸水を導入し水質改善を図った!
大和川の水質改善
川の流れを人工的に制御することで、川が本来持っている自浄作用を発揮できるようにした!
淵 (岩で作った行き止まり) に水が溜まることで、微生物が有機物を分解しやすくなった!
水は淵を越えるとき勢いを増す (滑り台を降りるときのように) ので水の中に酸素が供給されやすくなる!
→酸素が増えたことで微生物が活性化!
この循環によって、汚い川と言われている大和川の水質を改善しようとされている!
Last modified: Mon Dec 9 13:27:54 JST 2024