計算機システム論レポート

課題「データ・マイング」

概要
第1章「データ・マイングの説明」
第2章「データ・マイングの応用事例」
第3章「中原食品におけるデータ・マイングの活用」

提出日 平成12年2月29日火曜日

奈良女子大学理学部情報科学科3回生159番 奥明日香

第1章「データ・マイングの説明」

データ・マイングは、 企業や研究機関などが蓄積した膨大なデータの宝の山から、 ビジネス戦略に役立つ情報を発掘(マイング)するための手法です。従来の、仮説に 頼るデータベース検索ではなく、膨大なデータから自動的にデータ間や事象間の関連、 トレンド予測などの未知の法則を見つけ出すための発見型新検索技術です。

第2章「データ・マイングの応用事例」

*通信、金融、保険業界において、お客様用に優良顧客識別や取り引き解約の兆候の 発見あるいは、並売可能な商品の割出しなどを行なうインダストリー特科型データ マイング・ツールがあります。 (例)IBM IMRM V6.1 〜 データ・マイングを各インダストリーの特性に合わせた形で 実現する製品。

*キャンペーン管理システムとしては、データ・マイングの技術を駆使した抽出条件を ベースに、個々のお客様の嗜好や状況に応じた商品案内や的確なフォローを計画し、そ れに基づくダイレクトメール(DM)、電話、直接訪問 といった複数チャネルを組み合わ せた柔軟なキャンペーン・フローを構築します。 (例)IBMの Campaign Advisor V2 Campaign Advisor 〜 分析結果をキャンペーンで 活用する製品です。

参考ホームページ ;http://www.sankei.co.jp/release/9910/1007-03.htmlhttp://www.ibm.co.jp/software/data/bi/product.htmlhttp://www.zdnet.co.jp/pcweek/archives/980605/980605p0602.html

第3章「中原食品におけるデータ・マイングの活用」

いよいよデータ・マイングの考え方を我が中原食品の膨大なデータを利用して活用した いと思います。

97’4月〜98’3月は73軒、98’4月〜99’3月は69軒のスーパーに商品 を卸しています。 主力商品の内訳は、干んぼし(鹿児島特有の大根を日干しして漬けた漬物)4本、2本 、1本入り、刻みの大・中・小袋の計6種類の商品と朝鮮漬(朝鮮から鹿児島に伝わ ったキムチの一種)です。 特に、主要地域である伊集院町・東市来町・串木野市・川内市のそれぞれにある大型 スーパー、タイヨー・Aコープ・寿屋における上記の商品の売行きをみます。簡単のため 干んぼし6商品を分類しないことにします。 つまり、干んぼしと朝鮮漬2商品における2年間の12店舗の売上個数データをもとに 何らかのパターンを調べてみることにしました。

調べた結果、データ・マイングの考え方、「膨大なデータの中のパターンを識別して 製品販売の類似性や相互売り込みのチャンスを特定するほか、カスタマーの忠実度と 不正行為を監視してくれる」をうまく適用できそうにありませんでした。

あえてわかった事象を挙げます。一番売上の良いスーパーは川内市のタイヨーであるに もかかわらず、主力2商品の売上がもっとも多いのは、伊集院の寿屋であることから、 川内市のタイヨーは主力外商品が良く売れているということがわかります。そこで、川 内市のもう2つのスーパーAコープと寿屋の主力商品の売上をみるとやはり他の地域の スーパーより売上がよくありません。なぜなら、絶対的に人気商品である主力2商品の うちの朝鮮漬の売上がほとんどないのです。他の地域では、良く売れているのになぜか と実家に問い合わせたところ、川内市の地元に強力な競合商品を製造する漬物屋があり 、小量を卸しているもののほとんど売れないとのことでした。打開策は検討しているの かとたずねたところ、川内市のスーパーに朝鮮漬を卸さないということにはならないだ ろうが、自然に「中原食品は干んぼし」「川内市の漬物屋の朝鮮漬」というように住み わけができてしまっているのだそうです。漬物を店頭に並べるスペースが今以上に広く とれれば、朝鮮漬ももっとたくさん置け、消費者に「中原食品の朝鮮漬」をアピールで きて売上も良くなるであろうとのことでした。

考察

中原食品におけるデータ・マイングの活用がうまくいかないわけを考えてみると、 各店舗間への商品卸しのデータ、売上データなどはあっても、実際に消費者がどの 商品とどの商品を同時に買うかといった細かなデータがないため、消費者の購入 パターンを割り出せないといった点が挙げられます。 しかし、各月間の売上データと売れ筋商品の動向を調べることによって、限られた陳列 スペース中で、どの月にはどの商品をメインに売り込むかを考慮に入れたディスプレイ が可能になると思います。

データ・マイングは、カスタマーリレーション管理や電子商取引という成長分野では 特に有益であるとみなされているそうです。確かに、関連データの中から購入パターン などの傾向を特定できるようになれば、戦略的に販売計画を立てられるようになると 感じました。 データ・マイングのソフトの中にはさまざまにサンプリング,変換されたデータを、 クラスタ分析,回帰分析、相関関係分析、ディシジョンツリーなどあらゆる手法により 分析し,レポート出力,3次元グラフ表示などが可能なものがあるとのことです。早速 実家のパソコンにも入れたいなと思いました。