TeXで論文を書く 2003.11.10 主に、図の貼り方についての説明。 1. TeXシステムのインストール 角藤版pLaTeXを用いる。 レジストリを全くいじられること無く、純粋にファイル群を置くだけなので、ちょっと試したい場合にも適している。インストールは10-20分程度で終わる。 インストール方法 http://www.matsusaka-u.ac.jp/~okumura/texfaq/install-win32.html DVIOUTやGVも入れること。 2. TeXシステムインストールチェック http://akagi.ms.u-tokyo.ac.jp/tex_instchk.html 起こしやすいミスは、環境変数の設定ミスなど。 (再起動のし忘れに注意。) 3. 図の貼りかた 図は、gnuplotやpgplot, gmtなどのプロッターで書くとPSファイルになる。 これらを論文に貼るときには、直接貼っても良いが、ちょっと凡例を変えたいとかラベルを追加したいと言うときにいちいちプロットしなおすのは面倒である。 そこで、Windowsのドロー系ソフトやpowerpointを使って修正し、PDFに変換してから貼れば、修正時もいちいちUNIXに戻ることなくWindows上でさくさくと修正ができる。 ・まず、GVで目的のPSファイルを表示し、クリップボードにコピーする。 ・次にpowerpoint等の画面にペーストする。 ・自由に変更修正する。このファイルはファイルとして保存しておく。 ・さらに、TeX用のPDFファイルを作るために、印刷を選び、プリンタからAcrobat Distillerを選ぶ。OKで変換が始まる。 ・画面にPDF変換後のファイルが表示されるので、トリミングして余白を取り除き、PDFファイルとして保存する。 ・PDFファイルはそれだけではTeXから呼び出せない。以下のコマンド(ebb)を打って補助ファイル(バウンディングボックスファイル)を生成する。 c:\figにあるfile.pdfというファイルの場合の例 %cd c:\fig %ebb file.pdf ・TeXファイル本体での呼び出し方は ..... \usepackage[dvipdfm]{graphicx} ..... \begin{figure}[hb] \begin{center} \includegraphics[width=7cm,angle=-90]{Fig/file.pdf} \caption{This is example.} \label{fig:gw_instability} \end{center} \end{figure} ・コンパイルは、TeXファイルをa.texとすれば、 %platex a.tex この操作でDVIファイル(a.dvi)が生成されるので、さらにPDFに変換する。 %dvipdfmx a.dvi なお、実際に上記のコマンドをいちいちDOSプロンプトから打つのは面倒なので、例えばtex.batといったファイルを作り、バッチ化すると良い。 tex.batの例(ファイルはデスクトップのpaperというフォルダに格納、図はFigというサブフォルダ) cd c:\windows\デスクトップ\Paper\Fig ebb fig1.pdf ...... ebb figx.pdf platex a.tex platex.a.tex dvipdfmx a.dvi このようなファイルをデスクトップに置くか、ショートカットを作ってデスクトップに置いておけば、いちいちコマンドを打たなくてもダブルクリックだけでebb処理からコンパイル、PDF化までを行うことができる。 図の変換は、PDFに限らずPNGやJPGでも可能だが、JPGは軽い代わりに粗い(設定によるが)。PNGは比較的きれいであったが設定による可能性高し。重さを厭わなければPDFがベストかと思われる。 参考 PDFの作り方 http://www.matsusaka-u.ac.jp/~okumura/texfaq/pdf.html#distiller 日本語TeX情報 http://www.matsusaka-u.ac.jp/~okumura/texfaq/ dvioutにおける小ヒント集(PDF部分) http://akagi.ms.u-tokyo.ac.jp/dviouttips.html#PDF